こどもの歯並びを決める要素は遺伝的な要因（歯の大きさ、顎の大きさ）と後天的な要因（呼吸、嚥下、指吸いなどの悪習癖）があります。大人になってからでも矯正は可能ですが、子供の場合は発育、成長を利用し原因に対して早めに対策を取れるのが最大の利点です。
子供の場合、大人と比べるとあごの骨が成長途中なので、スペースを確保するために骨を広げることができます。成人はそれが困難であるためスペース獲得のために抜歯などが必要となります。
またこどもの矯正をおこなうことで将来的な治療費の抑制にも繋がります。歯並びが悪いまま大人になってから矯正をおこなうと治す箇所が多くなり治療費が高くなり、治療期間が長くなります。
早めの対策を取るという点で必要があれば、こどもの矯正を行う価値は十分にあると当院では考えております。

【歯並びが良い時のメリット】
まずは歯並びが良いことでお口の衛生管理がしやすくなります。そのため、虫歯や歯肉炎にかかるリスクを軽減することが出来ます。また、歯並びが良いと、しっかりと噛むことができます。よく噛めることで血流が良くなり、血液中の酸素が体の隅々まで運ばれます。すると酸素不足になりにくいので、集中力が持続しやすくなります。また、筋力もアップするので、体力的にも優位になります。
バランスよくかめる歯並びであれば、顔つきも立体的になり、顔立ちが良くなります。扁平な顔つきよりも、目鼻立ちのはっきりした顔立ちの方が良いと考えております。
子どもの歯並びは学力や運動能力などにも影響があり、その後の人生にも大きな影響を与えます。

【歯並びが悪い時のデメリット】
歯並びが悪いと、歯ブラシが届かない部分や磨きにくい部分が生じ、虫歯や歯肉炎などにかかりやすくなります。また、食べ物をしっかり噛むことができないため、胃や腸の負担が大きくなりやすくなります。出っ歯や受け口などの場合、正しくはっきりと発音しづらいことがあります。顎の成長発育に悪影響を及ぼす場合があります。
身体面だけでなく、見た目や発音にコンプレックスを持ってしまい、人前で上手く話せなくなったり、口を開けて笑えなくなったり、様々な心理的負担になる可能性があります。

年齢と成長には個人差があり、装置によって多少異なりますが、6歳〜10歳ごろがスタートするおすすめの時期になります。
お子様が自分の歯並びに興味をもち、治療に協力的になってくれる時期に進めるのがよいと当院では考えております。また生活リズムや習い事、鼻詰まりやアレルギーなどそのお子様にあった最適の治療プランをご提案することが可能です。

当院では、プレオルソ、顎顔面矯正、ブラケットワイヤー矯正、マウスピース矯正（インビザライン・ファースト）など様々な矯正法を行っておりますので、外科的な矯正治療が必要な場合以外には対応可能です。お子様の歯並びの状態や親御様のご希望に合わせて治療法を選択していただけます。

小児矯正で用いる装置には外せるものとお口の中につけっぱなしのものがあります。取り外し式の装置は、お子様の協力も大切な要因になります。お子様の年齢なども考慮して治療装置を選びますが、当院ではほとんどのお子様は上手に使えています。自分の今の歯並びの状態を説明し、どうして矯正が必要なのかをしっかりと説明・理解してもらえれば、お子様は前向きに頑張ってくれます。

柔らかい素材で激しいスポーツ中もつけっぱなしにできる装置があります。同様に、管楽器などを演奏するときにつけっぱなしにできる装置もあります。違和感があればその時に取り外すこともできますし、日中は使用せず就寝中のみ使用するタイプの装置もありますので一度今の習い事も含めてご相談ください。

装置にもよりますが、子供の矯正は、今後の発育や成長を利用して行うものなので大人の矯正に比べて痛みは少ないです。装置をいれた最初のほうでは歯が押される感覚などはありますので多少痛みを感じる、訴えるお子様もいらっしゃしますが、数日〜１週間程度で落ち着きます。今までなかったものがお口の中に入るので最初は痛みより違和感が強いかもしれません。慣れれば特に問題なく使用できます。

マウスピース型など取り外し式の装置は、食事や歯磨きの時には外すので、通常通り歯を磨いていれば虫歯のリスクが増えることはありません。固定式の装置を使う場合は、装置の周りに汚れがたまりやすくなるため、通常の歯ブラシに加えて専用の器具を使って歯を磨く必要があります。

小児矯正は、医療費控除の対象です。一年間に10万円以上の医療費が必要になった場合に、所得税の一部が戻ってきます。